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綿 in a stuffed brooch

おちょぼ口

ゆみこ、サブカルやめたってよ

90年代、サブカルチャーという言葉は、蔑称じゃありませんでした。メインカルチャーとして、小室ファミリーミスチル、ドリカム、マイラバ、そういった音楽が盛んで、渋谷の街には、真っ黒いコギャル、50センチくらいのルーズソックスをソックタッチで止めた、女子高生であふれ返っていました。そして、それに対する、サブだったわけです。A面に対する、B面みたいなものですね。

 

それが、今は、メインカルチャーが、まったくコギャルやチャラ男的ではなくなり、サブカル的なものが、メインに踊り出てきてしまいました。すると、サブカルのサブってなに?ということになり、宙ぶらりんで、わけのわからない言葉に成り下がってしまいました。

 

あの頃、サブカルでいるということは、反骨精神の現れ、パンクだったんです。センター街を、紺のハイソックスに、購買に特注で作らせたXSの学校指定のベストを着て闊歩していた私は、思いっきり過激でした。鋲付きの革ジャン着てたようなものですからね。当時は、ラルフローレンなどのベストのメンズサイズ(先輩のお下がりだとさらにグー)を椅子の背に着せて、さらにだぶだぶにさせ、着るのが流行っていたので、ピチベストを着ている時点で、もう世間にケンカを売っているような状態でした。

 

今の若い子たちのファッションを見ていると、ずるいなと思ってしまいます。あの頃、マイナーで、ださいとか馬鹿にされていたようなスタイルが流行っています。昔のおもちゃや色々などんくさいものも、ファンシーという言葉でくくられて、かわいくっていい、顔色は白くていいみたいになっていて、私がなめたような辛酸と苦労を彼女たちはまったくしている気配がなくて、闘う必要がなくて、うらやましいです。

 

「おばあちゃんみたい」ってよく言われていました。ピカピカの17歳だったのに、陸奥A子なんて読んでいると、ださいと言われたのに、今は大流行りで付録も大層な値段で売られています。ちょっと、いや、結構むっとしています。

 

たまに、あの頃の空気を引きずっている人を見かけて、それは主に、自分より少し年上の男性です。女子は子育てでカルチャーなんてもの嗜む余裕ないですからね。つい、同類のような、シンパシーを感じてしまうのですが、2016年にまだ90年代を引きずっている人は、あの頃の空気感もそのまままとったままなので、意地悪ですよね。

 

ずーっと、小山田さんの昔のインタビューなどが、やり玉に挙げられていますが、しょうがないんです。あの頃は、態度は斜め45°じゃないとだめだったんです。真面目や努力や真剣とか、そういう態度は嘲笑の的でした。なので、その頃を知らない若い人たちが、あれをブーブー言っているのを見かけると、あなたたち、当時は幼稚園児でピカチュウ見ててんかん起こしてた口でしょ?ちょっとお黙りなさい!と、デヴィ夫人ばりに言いたくなってしまいます。

 

でも、私は当時から、その態度はなんなんだろう?最低!と思っていました。青いドレッドヘア時代のacoが、スペースシャワーで浅田祐介と司会をしている番組がありました。ゲストにミュージシャンが出るトーク番組です。かの香織が出た時の、姐さんの、かのさんへの失礼すぎる態度、そこにかのさんがいないかのような無視とメンチ。あれは、ひどすぎて、トラウマものの思い出です。司会なんてやりたくなかったんでしょうけど、人間として、最低限のマナーくらい持ったらどうなんだろう。ディーバだか歌姫だか知らないけれど、ミュージシャンだからって、何様なんだろうと、私は腹が立ちました。

 

20代を過ぎ、30代を過ぎ、人間を見るときに一番大事なのは、やはり心のほかほかさではないかなと、私は思うのです。自分がしばらくきつい状況に置かれて、人の優しさが特に沁みるせいもあって、音楽はレコードでしか聴かないとか、全身ユニクロをださいと思うとか、仕事が横文字とか、タワマンに住んでるとか、3流ミュージシャンと自称DJの友達しかいないとか、全然素敵だなんて思いません。

 

はげてても、ふとっちょでも、好きな音楽がコブクロでももういいです。靴はとんがってない男性が絶対いいです。ハッピーソックスとか言って、アクセントに靴下だけ赤い男とか、手塚治虫みたいなベレー帽や、ウッディーみたいなテンガロンハットかぶってる男、ありえますか?ありえません。だって、男がおしゃれすぎるのって、ださいじゃないですか。野暮ですよ。

 

そう思うと、私の夫は、いつもズボンがずり下がり、パンツがはみ出てるし、洋服で手や口を拭くので、いつもシミだらけで、最高です。私と別居中で、服を買う人がいなくなったので、自分で買ったらしいのですが、なぜかベルギーから直輸入していて、それらは全て、ブランドのタグに、MIYUKI-ZOKUと書いてあって、私はお腹がよじれるほど笑いました。選んだのも、にんじんジュースみたいな色のトレーナーで、意味不明のセンスです。本当はLサイズなのに、ふとっちょになった自分を認めたくなくて、Mを買い気味で、つんつるてんになっているところも、さすが私と結婚しようと決めた男だわと感心するばかりです。

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