綿 in a stuffed brooch

おちょぼ口 

イナエさん、そして私もシアトルに帰りたい

私は空港が大嫌いです。なぜなら、そこにはエモい思い出しかなく、胃と心臓がいつも痛くなる場所だからです。胃は、これから長い間、飛行機に乗らなくてはいけないことへの緊張、心臓は、そこで誰かとグッパイをしなくちゃいけないことからのつらさからです。

外国に住んでる人は、みんなその二つの臓器を痛くして、がんばっています。

実家のあるのと同じ町内に、結婚しても住める人が、一番の勝ち組じゃないのかなと思います。例えば、うちの母親と父親のように。子供ができたら、じじばばに預けられますからね、保育園に落ちてもなんとかたぶん…じじばばの体力が続けば…

ぴょこ先輩の運動会に行ったとき、ママパパはPTAのお手伝いや写真、ビデオ撮影で忙しいので、まあ見事にたくさんのじじばばが赤ちゃんを抱っこしていたり、2歳くらいの子の相手をしていました。上の子がかけっこや踊りで忙しい間、じじばばも競技に全力投球です。

話がちょっと逸れますが、そこにいる私と同年齢くらいの女たちは、みんな「ママ」という称号を持っているっぽく、私が妹の歳の離れた未婚の妹、丸の内で働くBGかなんかだったら、まあ格好もついたのでしょうが、私は妹の既婚の姉なわけで、ものすっごく手持ち無沙汰でつらかったです…私は、水子5人いますから、これは、どんな修行なんだろうかって考えてしまいました。

耐えられなくなり、開催地だった小学校を出て、周りをブラブラしに行ったら、公園があり、缶コーヒーでも買って、ベンチに座って飲もうと思ったら、ベンチに見覚えのある人がすでに座っていました。やはり、ああいう場が好きではない、マイファーザーこと父親でした…もちろん、コーヒーを飲んでいました…

見なかった事にして、声をかけずにそこを去りました…私の性格が父親に似てると判明したのは結構最近です。昔はアル中で、いつもハイパーヨーヨーみたいだったので、こんなネアカでひょうきんで声の大きい人の血、私に流れてるのかな。ほんとは、母親の元カレ、山田さんの子なんじゃないのかも…なんて思ったりしたこともあったのですが、父親がアル中になった理由は、気が小さくて恥ずかしがりやだったからなのです。お酒の力なしに、人と社交ができなかったんでしょう。ああ…ああ…!それなら、超ガッテンだ!!

彼の超大きい目と、高い鼻も遺伝して欲しかったのに、受け継いだのは、その性格と低身長、おちょぼ口だけでした…

私は…母方の祖母のお姉さん、市川に住んでたイナエさんに似ています…イナエさんは、ずっと健康だったのに、インフルエンザの注射を打って、それが原因で亡くなってしまいました。お年寄りにはあれはやっぱり毒なんでしょうね…もったいない…もったいない…だって、ほんとに別にどこも病気じゃなかったのに。

5人兄姉で、長野から東京に出て来たのは、イナエさんと、マイ祖母のテルの二人だけです。でも、末っ子のテルはわがままでかんしゃく持ちで意地悪なので、そんなに仲良ししてなかったような気がします、イナエさんと。

ちなみに、イナエさんの一人息子の奥さんは、窃盗癖があり、娘を連れてゴーンしてしまいました。離婚です。そして、今はどこにいるのかわからないらしいです。小学生の頃、イナエさん御殿が完成した時には、伺って、優しい奥さんだった記憶があるのですが、人ってわからないものですね…

空港の話からイナエさんの話になってしまいましたが、言いたかった事は、マイハズバンドこと夫が、シアトルに戻りましたということです。今はまだ空の上ですかね。

いいな。私もほんとは帰りたいんだけどな。あんなに馴染んで、右も左も分かるようになった街、どこのキャラメルラテが一番おいしいかも知ってるのに、その場所は、ここからはうんと遠く、気軽に行かれません。

 

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