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綿 in a stuffed brooch

おちょぼ口 

薄いピンクの下と濃いブルーの上に同時にいたことがない

6月に、うちの町では大きなお祭りがあります。カッパ祭りとあだ名がついているように、御神輿ごと、海に入ります。今もたぶん。

7月に、うちの町内では小さな盆踊り大会が開催されます。細川たかしが歌う、おそ松くん音頭と品川音頭と東京音頭をエンドレスリピートで二日に渡って、爆音で聞かされ続けます。

どっちにも、自分が参加している、中の人、この町の人だという感覚がないまま、いつも早く終わらないかなと思っています。元同級生や地元の知り合いになんて会いたくないですし、子供の頃から、お祭りに誰と行くか問題や、中学のピラミッドの一番上の小さな三角内にいる、モノホンの海辺のヤンキーたちが、皆、真っ白や紺のあの祭りの服に足袋で、橋のたもとにたむろって、飲酒しまくってるので怖い問題など、いい思い出あまりありません。

中一の時は、学年一の女番長みずきちゃんの号令で、クラスの女子、皆が呼ばれ、皆で祭りに行くはめになりました。第一京浜沿いにある、品川神社という立派な階段に、リトル富士山もついている、いかにも神社です☆という風情の所です。神社内のベンチ、確かそれはエメラルドグリーン、その中心にみずきちゃんが座り、その両隣は腰巾着の島貫さんと、カメが座っていたような気がします。そして、その他の女子たちはスタンディングです。

みずきちゃんが「誰か、フランクフルト買ってくんね?買ってくれる人〜?」と、ラリッた様子で言いました。皆、目を逸らし、下を向き、気まずい空気が流れました。そして、私はそれに堪え兼ねて、「私、いいヨ☆」と挙手してしまいました。

100%じゃないけれど、ほぼカツアゲかよみたいな、みたいな、みたいな、あれですけど、とにかく全然楽しくなかったですよね…

当時からも感じていたのは、私だけ、祭りに乗り遅れている、楽しみ事に参加できていない、パレードが来たのに見られない、そんな焦燥感と疎外感でした。自分は仲間じゃない、部外者なんだ感が強いんです。どこかにも所属していない、ソロ過ぎる自分。普段は、ソロが大好きなのに、こういうグループでやんややんやして皆が笑っているのを見ると、私の生き方、やっぱり間違ってるのかなと思ってしまい、それに耐えられなくなります。

今年は…熱海まで猫の舌クッキー買いに行くリョコーなんてものしちゃおうかな。

と、今もゆううつなんです。なぜって、ほら、今桜が咲き始めてるでしょう?

私たち、桜好きすぎますよね…私は乙女椿とライラック芍薬の方が100倍好きですけど…

て、お花が好きなだけで、皆がそれを各自、目で愛でるだけならどうでもいいんです。しかし、この国では、そのお花の木の下で、宴会をやるのが掟のようになってしまいました。そうです、いわゆる「お花見」というやつです。

私は、一度もしたことないです。だって、ソロですから、どのグループにも団体にも所属してない者に、宴会の誘いは来ません。薄いピンクの下で、濃いブルーの上で、おにぎりむしゃむしゃ食べたことなんて、ないんです。ないんです…

なので、今の時期、インスタがピンクに染まり、皆がこぞって、ピクニック、酒盛り、している様子、並んだでっかいタッパーの写真を見ると、胸がちょっとぎゅっと痛いんです。

いや、それに参加しても、私はたぶん、それ好きじゃないのはわかってるんです。ソロの人なので。でも、ちょっとうらやましいなって気持ちがあるんでしょうね。

仲間や友達がいっぱいいる方が、人間としての格が上みたいに、自分も他人も思います。ほんとは、こいつもあいつもばかばっかり!と思ってても、その反対に思われること(友達いない=人間として格下と思われる)が、怖くて、作り笑顔でがんばっている人もたくさんいると思います。私も多少、そういうガンバしたことありますし…はるか昔…

くまたち、30人連れて、やってこようかな…

でも、私は1人の時間を1人で満喫できる人の方が、フェス好きの人より好きだし、別にいいか。