綿 in a stuffed brooch

おちょぼ口 

すべては自分が蒔いた種だったことは、最初から知ってる。私はそこまで鈍くない。

自分のふがいなさ、いたらなさ、ごうまんさが、招いた結果なだけだった。

長年の妻としての評価が下され、通信簿には1しか並んでなかった。

そんなの、わかってる。夫を追い詰めたのは私だし、こんな性格だか、人格が、破綻してる私に付き合ってくれて、彼には感謝している。

ただ、誰かのせいに、何かのせいにしないと、私は私を続けられなかった。逆ギレだろうとなんだろうと、自分の女として、人としての落ちこぼれさに目を向けていたら、私は生きることができたとは思えない。

こんなことが起きる前から、誰よりも、私は自分が嫌いだし、誰よりも、自分が劣っていることは知っていた。子供の頃から、ずっと違和感を抱いて生きてきて、自分は輪には入れず、その他の人間なことなんて、いやでも、まわりから教えられて、毎日をやり過ごしていた。

頭は痛く、熱は下がらない。歩ける距離もどんどん短くなっていく。

私が私としてと生まれてきたことへの罰なんだろ。いい遺伝子が、掛け合わなかったのかな。妹は父の大きな目をもらい、かわいく、私だけ、イナエさんに似て、かわいくない。ばあちゃんの姉ちゃんなのに、なんで、私に出ちゃったのか、不思議すぎる。

自分だけが違うので、家族に悩みを打ち明けたりしたことはなく、相談したいことは本を読みまくって、解決を図った。ジャッキーや、チヨヨなど、女の大先輩たち。

ああ、そして、吉本ばななの本たち。私のことをわかってくれる人だと信頼していた。心が弱い人たち、壊れた人たちに向けての寓話。いつも、ごまかしてる感情がむき出しになり、最後は、だいたい嗚咽で息ができなくなるほど、泣いて、放心して、でも、安心して、助けられた。救われた。

世の中の誰もが孤独だと言う。でも、ばかな私は、他人になんてなったことないから、理解できない。街に出れば、みんな楽しそう。孤独の色など、誰もはみ出させていない。

わからない。

私はわからない。

ただ、自殺をする人がたくさんいるのは知っている。この黒い夜に耐えられなかった人たち。私は彼らは負けたとは思わない。よくがんばった。そして、その勇気を、未来に希望なんて一生ないことを認めたところ、その絶望に共感しかありません。

未来なんてない。明日は一生来ないのを知ってる鋭い人たち。明日は一瞬で今日になる。そして、その繰り返し。死ぬまでずっと同じことを繰り返す。

私は、佐藤くんの気持ちがわかる。

そして、その視点で、彼の書いた歌詞を読んでいくと、それに対する絶望しか歌っていない。

何度も同じ話してる。さっきと同じ。夕暮れがやって来ない。夕暮れはやって来ない。

私は夏が嫌いです。

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