綿 in a stuffed brooch

おちょぼ口 

水面をよく見てみると

ゆっくりと静かに流れている

時間は決して止まってなんかない

 

わたしは

しかるべきところに流れ着くだろう

もがいても

叫んでも

泣いて溺れて沈んでも

水はゆっくり

わたしを運ぶ

 

いるべき場所に辿り着く

それだけは信じてる

胸が痛かろうと

頭が壊れようと

わたしは信じてるから

 

幸福に恨まれるほどのことは

たぶんしてない

つらかった分

それをまた手にした時

金平糖が降ってきて

わたしは甘くなるんだろう

 

たくさんの痛みや傷や悲しみを

たくさん知った

エゴイストだったわたしが

変わるチャンスを

得たのはラッキーだったと

最終的には思うだろう

 

知らなかったこと

恥ずかしいこと

醜いこと

間抜けなこと

みっともないこと

 

それらから

あきらめることを学んだのは

長い人生

幸せなことだから

いままでわがままで

他人を慮らなかった

罰が当たっただけ

 

わたしと同じような気持ち

もっとつらい立場の人たちを

思うようになった

彼らは

その黒い時間をどうやり過ごすんだろうか

わからない

わからない

 

レアな悩みだろうと

ポピュラーな悩みでも

つらさに関係はない

泣くのだろうか

酒に逃げるのか

歯を食いしばって

血が出るほどくちびるを噛むのか

 

わたしは流れる

そっちには行かないだろう

孤独を浮き輪に

わたしは絶対溺死なんてしてやらない

 

魅力を

魔法を

手にした自分を想像して

夢の中でダンスする

負けてなんてやらない

 

わたしはもうわたしを傷つけない

わたしはもう傷つかない