綿 in a stuffed brooch

おちょぼ口 

彼女はいつも花みたいに

さくさくさくさく

さくら咲く

頬をピンクに染めて

男にウインクしてみせる

男は一発であたしを見上げる

 

ばかみたい

 

あなたに恋なんてしてない

私のチークはね

マタハリって名前の色なの

男はばかだから

みんなあたしに

恋されてると思っちゃう

 

ばかみたい

 

枯れたうめの下でうめいてる女

あの女の旦那が

あたしに夢中になったのは

あたしのせいじゃないのに

とんだ八つ当たりよ

茶色まみれの哀れな女

 

ばかみたい

 

つばを吐いてつばきが濡れる

あたしを

触りたい男たちがたくさんいる

あたしのつばきを思いすぎて

あいつもあいつもあいつも

きちがいになった

あたしを責めるのはまちがってる

あたしはただあたしなだけだもん

 

ばかみたい

 

男たちは空想する

ピュアなあたし

あばずれのあたし

彼らの夢を具現化するのは

だあれ

あたしは知らない

 

あたし、わざとじゃないわ

あんたの勝手じゃない

負けた女が攻撃してくる

それも

あんたの勝手じゃない

あたしには関係ないのに

むかつく

 

ばかみたい

 

バラバラになったバラはもう

元には戻らないのに

棘のついた枝でチャンバラごっこ

あのきちがい夫婦は

いつまでやるんだろう

意味なんてないのに

あの女の男はあたしに夢中だし

 

ばかみたい

 

あんあんあんあんあんずの実

男が

あたしのそれをぐちゃぐちゃとつぶすとき

返り血みたいに甘い橙の液体が

男の顔にかかる

甘い味のそれ

男は一生あたしを忘れない

もっと欲しいって

あたしを追いまわす

 

ばかみたい